甘いトマトの育て方・品種選びのポイント おすすめ苗はミニトマト!

さまざまな種類・色のトマトが密集 家庭菜園
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自分で甘いトマトを育てたい。だけどホームセンターにはたくさんの品種があって、どれを選べばいいのか迷いますよね。
「甘い」トマトにこだわりたい場合は、家庭菜園だからこそ気をつけてほしい品種選びのポイントがあります。家庭菜園歴10年以上、これまで色々育ててきた中で私が感じている品種の傾向と、おすすめの品種もご紹介しています。

良い苗の見分けかたについてもまとめていますので、まだ苗を購入されてない方は参考にしてみてください。
苗選びは収穫時の満足感に直結しますので、気に入った品種の中から元気なものを選びましょう。

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甘さにこだわるなら「大きさ」も重要

黒い皿に盛られた大きいトマトとミニトマト

「フルーツトマト」「濃縮トマト」「水切りトマト」といった名前で販売されているトマトは、本当にフルーツのように甘くておいしいですよね。家庭菜園でああいうトマトが作れたらなぁ……と、できるだけ甘いトマトを作りたくて、毎年続けています。

調べたり育ててきてわかったのは、甘さにはトマトのサイズが大きく関係しているということ。

上記のような、農家の方が作られている「甘さを追求したトマト」は、“ミニトマトよりは大きく一般的なトマトよりも小ぶり”なものだと思います。「フルーツトマト」という品種? 何か特別な苗なの?と思われるかもしれませんが、これらは実は普通の大玉トマトなのです。

通常の育て方をした大玉トマトと比べて、同じ品種とは思えないほど凝縮された味(甘さ)になっている理由は、特別な栽培方法をしているから。根が伸びる領域を制限したり、肥料の吸収を抑えることでトマトにストレスを与えて糖分をたくわえさせることにより糖度を上げるなど、いろいろな工夫をしています。その中でも一番影響が大きいのは水やりです。
トマトに与える水分を極力少なくコントロールして育てるため、一回りから二回り小さく仕上がります。その結果、通常の育て方をした大玉トマトよりも、個体の水分量が少なく味や甘さが凝縮されるのです。(=個体の水分量が多いほど、味や甘みが薄まってしまう)
このような水やりの調整を家庭菜園でやろうとするのは、とても難しいです。

そこでおすすめなのがミニトマト♪ ミニトマトは実が小さく、実自体の水分量がそもそも少ない。そのため普通に水やりをして育てても、大玉より凝縮された感じに実ります。甘いトマトがお好きな方には、ミニトマトの中でも中玉ではなく小さい品種がおすすめです。

また、ミニトマトは大玉に比べ、実割れしにくいところもおすすめポイントです。(中玉と比べても割れる確率は低いです。)

品種の選び方は?

木のボードの上に転がった赤・黒・緑・黄・オレンジのトマト

簡単で間違いないのは、「糖度が高い品種から選ぶ」方法です。
ホームセンター等でいろいろなトマトの苗が売られていますが、糖度が記載されている品種はそれほど多くはありません。(私の行く所だけ?) 「糖度が記載されている=甘さが売り」と思われますので、数値の高い品種を選べばまず間違いないでしょう。

注意

糖度が高くても品種によって酸味の強弱があり、甘味の感じ方は糖度どおりではなかったりします。

昨年はキャンディドロップとシュガープラム、まだ育てたことのないオレンジ色の品種1つを購入しました。毎年3本植え付けるのですが、だいたい一本はなるべく初めての品種にするようにしています。
キャンディドロップは12~13度、シュガープラムは10~12度と若干差はあるようですが、どちらも甘くて甲乙つけがたかったです。甘さの差に関しては、品種の差というよりは同じ株の実でも個体差があり、そちらの方が大きく感じました。

糖度の高めなミニトマトをまとめてみました。

品種大きさ糖度
シュガーベイビーミニ14.5度(最高値)
キャンディドロップミニ 12~13度
シュガープラムミニ 10~12度
ミラクルリッチミニ 10~11度
純あまミニ 8~11度
フルーティミニミニ 8~10度
シュガーミニミニ 8~10度
千果ミニ 8~10度
オレンジ千果ミニ オレンジ8~10度
ハニーイエローミニ 8~10度
こいあじミニ 7~9度
ルビーノ中玉7~9度
フルティカ中玉7~9度

糖度の記載がなくても、「とっても甘い!」「フルーツのよう!」などと書かれていると、心惹かれますよね。それらの中から選ぶのも良いと思います。ただ最近はそういう品種がたくさんあるので、すごく迷いますが……。

2種類以上植えるのであれば、「糖度の記載がある品種と、記載がなく説明文で選んだ品種を比較」「毎年一つは品種を変えてみる」など、比較をしながらお気に入りを見つけていくと良いと思います。
同じお店でも毎年少しずつ品揃えが違ったりするので、苗選びは毎回楽しい! いつも迷って結構な時間を費やしてしまいます。

甘さと色の関係

赤・オレンジ・黄のトマトとパプリカ

上の表のように、高糖度ミニトマトは赤いものがほとんどです。

10年以上家庭菜園でミニトマトを育てていますが、昨年初めてオレンジ色のトマトを植えてみました。オレンジオーレ3号(中玉・糖度の記載なし)という品種です。中玉ということもあるのかもしれませんが、甘さという点ではイマイチ……
上の表にもあるハニーイエロー等、黄色いトマトは数種育てたことがあり、実感としては全体的に酸味は弱く甘めな印象です。そして、

イエローアイコは間違いない!

何度か育ててみてそう思っています。
高糖度ミニトマトと結構いい勝負ができるくらいの甘さで、赤いアイコよりも甘い。 そして、安い苗(接木でないもの)でも味は接木苗と変わらない
*接木苗は値段が少し高いですが、連作障害に強い・病気に強いなどのメリットあり
「甘いトマトを育てたいけど苗は安い方がいい」と思われる方には、イエローアイコ、かなりおすすめです。
それにアイコはたくさん採れるんです。他の品種に比べて、いつも数は一番多く採れていました。ミニトマトの中でも一粒が結構大きめなので、お得感もあります。

トマトの色で栄養素に差はあるのか? 少し気になったので調べてみました。

  • 赤:抗酸化作用の高いリコピンを多く含む
      生活習慣病の予防(血糖値を下げる、動脈硬化の予防)
      美容効果(シミの原因になるメラニンを生成するチロシナーゼの働きを抑制する)
  • オレンジ:ベータカロテンを多く含む
         免疫力アップ、粘膜・肌・髪・爪を健康に保つ
  • 黄(黄とオレンジをひとくくりとする見方もあり):リコピン(赤よりも体内に吸収されやすい)、カロテン
  • 緑:クロロフィルを多く含む
      抗菌殺菌作用、体内消臭効果 、デトックス、コレステロール値のコントロール
  • 黒:リコピン、表皮にポリフェノールの一種アントシアニンを含む
      目の疲れを改善、角膜や皮膚を保護する効果

摂りたい栄養素から選ぶのもいいかも。

良い苗を選ぼう

ずらりと並んだポット苗

苗の良し悪しは、しっかり育つかどうかや、採れるトマトの品質・数に影響します。次のような点に気をつけて、元気なものを選びましょう。

良い苗の特徴

  • 子葉(初めに出る葉)がついている
  • 本葉が7~8枚以上
  • 茎がまっすぐで太い
  • 茎の節と節の間が狭い
  • 病害虫の被害に遭っていない
  • 葉が大きい
  • 葉の厚みがあり色が濃く、変色していない
  • 一番花、またはつぼみ付き

トマトの一番花が実になるかどうかは重要なポイントです。一番花が実にならないと、その後の収穫量に影響します。1番花が咲く時期の気温が低めだと、受粉してくれる虫の活動が活発でなく、受精不良となることがあるそうです。虫による着果確率の低下への対策については、「日々のお世話編」で取り上げます。

苗の購入・植え付けの時期については、こちらで紹介しています。

昨年の夏、育てたトマト畑を放っておいた結果……

11月18日に収穫。
世話はしておらずほったらかしでも、まだ実がなっています。
最盛期より2周りくらいは小さく、たまーーーに採れるくらいなのですが。
昔、夏以降もずっと世話をし続けた時は、この時期でももう少し立派なものが、もうちょっとたくさん採れていました。
ちなみに夏に一番採れた日は、3種類でこのくらい!
夏はオレンジになる前のこのくらいの色のうちに採らないと、割れてしまっていたのですが、秋は上の写真のようなオレンジ色で収穫できます。 

苗選びの次は、いよいよ植え付けです。トマト栽培は「水」の影響を受けやすいので、土の水はけを良くするためにも畝を立てた方が良いです。詳しくはこちらの記事で紹介しています。

「甘いトマトの育て方、苗選びのポイント」のまとめ

家庭菜園で甘いトマトを育てるための、苗選びのポイントについて紹介しました。
育て方も重要ですが、苗選びがうまくいかないと、せっかく実っても少し残念に感じることがあるかもしれません。

  • 大玉・中玉よりもミニトマト!
  • まずは高糖度の品種を選ぼう(タグやポップの説明文に記載されている数値で比較)
  • 黄色い品種は酸味が弱め(=甘く感じやすい)な印象  
    *イエローアイコは赤いアイコより甘くておすすめ
  • 良い苗を選ぶ

好みの品種や元気のいい苗を選ぶための参考になれば幸いです。
トマトはプランターでも栽培できますし、初心者の方でも比較的失敗しにくく収穫までたどりつきやすい野菜だと思います。苗植え付けのベストシーズンに入ってきていますので、今から始められますよ♪