畑の土壌調整・施肥まで済ませたら、次は畝立て・マルチ張り・植え付けです。畑づくりのメインになるところですね。すべてをやろうとすると嫌になってしまうかもしれないので、あまり気負わず、楽しくやれる範囲でやっていきましょう。
一通り読んでいただくと、それぞれの作業の持つ役割と手順がわかりますので、「やってみたいことがあればやる」という感じで十分です。
畝立て
トマトは水分の影響を受けやすく、雨にもそこまで強くありません。ビニールハウスや、簡易的でも屋根がある(市販されているキットもあるようです)と良いのですが、家庭菜園でそこまでやるのはなかなか難しい……。そこで少しでも水はけを良くするため、畝は高めに作ることがおすすめです。(根も深く張れるので〇)
1条(列)植えで幅約40~60㎝・2条植えなら約80~120㎝、高さ20~30㎝の畝が理想的です。
【作り方】
- 畑の長辺の外側を掘ります。畑の外側から内側に向かって土を盛っていきます。
- 反対側からも同様に土を盛っていくと、畝の中心線を頂点とする土の山ができます。
- 頂点を平らにならしてお好みの高さにし、台形の畝に整えます。
が、耕した畑であれば、畝はなくてもトマトは育ちます。(カチカチ畑は悲惨な結果に……) 畝はあればなお良し、くらいに気楽に考えましょう。高さがそんなになくてもないよりは良し。すべて完璧にやろうとしなくても、できる範囲で楽しくやることが一番です。
マルチ張り
マルチも「ないよりはあった方が良い」くらいに気楽にお考えください。
効果としては畑の水分コントロール(乾燥防止・大雨時の過剰な水分吸収を抑制)以外に、「地温調節・雨で土の跳ね返りによる病気防止・雑草の抑制」などが期待できます。(でもねー、トマトの植わっているところをカバーしても、ハウスでもない野ざらしの畑なのでねー。マルチなしの部分と地続きだから、実際どの程度水分吸収を抑制できてるのかはわからないよなーと思いつつ、マルチングなしを試す勇気がないというのが本音……💦)
マルチには色や幅で様々な種類があります。
色 | 特徴 |
---|---|
黒 |
・地温上昇効果が高い(マルチ自体が熱くなるので注意、その熱が葉に悪影響を与えるという話も??) ・光を通さないので雑草抑制効果も高い |
黒(裏)白(表) |
・表が白いので地温抑制効果が最も高い ・裏が黒で光を通さないので雑草抑制効果も高い |
シルバー |
・保温効果もあるが地温抑制効果も持ち合わせているため、地温が安定しやすい ・反射効果で害虫防止、実の色づきを助ける効果も |
透明 |
・光を通すので一番地温上昇効果が高い(夏は温度が上がりすぎるので、敷き藁などを併用) ・光が通るので雑草抑制効果はない |
黒だと真夏の地温が上がりすぎるかなと思い、私はシルバーを使っています。マルチを張るメリットはいろいろありますが、デメリットもひとつあります。それは、追肥作業にひと手間増えることです。詳しくはこの記事でご説明しています。
マルチは4辺を土で埋めて固定しますので、「畝幅+両端の埋める幅」以上の幅があるマルチを選びましょう。またはマルチの幅から、作れる畝幅の最大値を逆算することもできます。1条植えにするか2条植えにするかは、この幅を参考にして決めてもいいかもしれません。
【張り方】
- ロール状のマルチを畑の長辺方向に伸ばして、畝の中心線上に置きます。(飛ばないように何か置いて固定するとやりやすいです)
- 埋める幅を加味した長さでマルチを切ります。
- 短辺の片方のマルチの端を開いていきます。
- 開いたマルチの両隅に何かを置いて飛ばないよう固定し、土をかけて端を埋めます
- 反対側のマルチも開き、両端を固定して畑にピンと張るようにして端を土で埋めます
張りに気をつけながら、残りの2辺の端も埋めれば完成です。
植え付け
株間は40~50㎝程、2条植えの場合、条間60~80㎝程を取り、マルチに穴をあけます。専用器具があると便利ですが、なくても大丈夫。ライターやチャッカマンの火で、円の中心からマルチを溶かすと希望の大きさの穴を開けられます。(風がある日は注意) 昔はそうしていたのですが、意外ときれいな円にするのが難しかったので、最近はハサミで苗ポット程度の大きさにマルチを丸く切り取り、細めのスコップで苗を入れる穴を掘っています。
せっかく張ったマルチの効果が薄れてしまうので、マルチの穴は大きくなりすぎないようにしてくださいね。
一番花が咲いた頃が、苗にとっては植え付けの最適時期です。つぼみがついているものでもOK。
植える前のポット苗にたっぷり水をやっておきます。(ポットから取り出した根鉢をためた水にさっとつけてから植える方法もあるのですが、土が崩れそうで怖くて私はやったことがありません。根鉢の土を落として植えることはやめてくださいね!)
植え付け穴は深くせず、ポット苗の土表面が見えるように植えます。特に接ぎ木苗は継ぎ目が見えるようにしていてください。
穴の隙間を埋めて根本を軽く押さえたら、水をたっぷりやってください。(植え付け穴に水をかけ、水が引いてから植えるやり方も) そして根を傷めないよう、ポット苗の縁あたりに仮支柱を挿し、苗に向かって斜めに立てます。最後に仮支柱に苗を誘引(仮支柱と茎にゆるくひもを8の字にかける)します。誘引のやり方は、下の記事で画像入りで説明しています。
本支柱を立てるのはもう少し大きくなってからでもかまいません。
まだ寒さが残る時期に苗を植えてしまった場合は、今後の成長に影響が出るかもしれないので、低温障害の対策をしていてくださいね。
こちらの記事でご紹介しています。
植え付けが終われば、大がかりな作業はほぼ終わりです。
少し大きくなってきたら本支柱を立て(やり方によっては少し大変かも💧)、本格的に日々のお世話が始まります。
「ミニトマトの植え付け」のまとめ
- 畝立て
余裕があればやってみて。できるなら20㎝程の高畝がおすすめです。 - マルチング
こちらも余裕があれば。できるだけピンと張りましょう。
黒マルチは夏場の地温が上がりすぎるかもしれません。 - 植え付け
植え付け穴は深くせず、苗の土表面が見える程度に。(接ぎ木苗は継ぎ目が見えるように)
植え付け後は水をたっぷりやっておいてください
支柱はこの時点で立てておいてもいいですし、もう少し先でもかまいません。
次は支柱立てについてご紹介します。