家で過ごす時間が増えた昨今、豆や粉からコーヒーを淹れるようになった方も増えているように感じます。中には「いつものペーパードリップもいいけれど、違った楽しみ方もしてみたい」という方もいるのでは?
私も普段はハンドドリップで淹れていて、フレンチプレスやエスプレッソマシーンなどの専用器具が欲しいなぁとは思っても、「置き場所がいるし」とか「買ってもそのうち使わなくなってしまうかも……」と考えると、購入には至りませんでした。
そんな時にコーヒー豆専門店で教えていただいた、「専用器具なしでフレンチプレスコーヒーを淹れる方法」をご紹介いたします。
家庭にある道具でカフェラテ・カプチーノも手軽に楽しめます(豆乳でもOK)ので、よければこちらも試してみてくださいね。
フレンチプレスコーヒーはおいしい!
ペーパードリップで淹れたコーヒーしか飲んだことがないという方には、1度フレンチプレスコーヒーを飲んでみていただきたいなぁと思います。私は初めて飲んだ時、ペーパードリップコーヒーとの味の違いにとても驚きました。例えるなら「出汁の入ってない味噌汁と入った味噌汁」。なんとなくでも伝わるとうれしいのですが……。
それまで私は、ペーパードリップでコーヒーを淹れていました。遠いのでたまにしか行けないお店にコーヒー豆を買いに行った時、真夏の昼間の暑さに耐えきれず、初めてイートインでアイスカフェラテをいただくことにしました。暑さによるところも少々あったかもしれませんが、それはそれはおいしくて、どうしても知りたくて「家でもこの味に近づけるような淹れ方はできませんか?」とおたずねしたのです。するとお店の方が「これはエスプレッソがベースで専用の機械(外国製の大きな物)を使っていて、 エスプレッソは専用の器具やマシンが必要です。でも、フレンチプレスならご家庭にあるものを使って淹れることができますし、ペーパードリップで淹れたコーヒーを使うよりも、このカフェラテに近い味になると思いますよ。」とおっしゃって、「美味しい淹れ方」が書かれた紙をくださいました。
このお店では豆の買い付けから焙煎まで行っていて、取り扱っている豆はすべてスペシャルティコーヒーです。「美味しい淹れ方」の紙には「コーヒーは、美味しい味も不味い味も、コーヒーのオイル分に多く含まれている。最も美味しい淹れ方とされるネルドリップや、一般的なペーパードリップ、サイフォン(布フィルターのもの)は、コーヒーのオイル分を取ってしまい、スペシャルティコーヒーの良さを十分引き出すことが出来ないので、当店では、コーヒーの持てる味をすべて出してくれるフレンチプレス(コーヒープレス)での方法をお奨めしている。」と書かれていました。
実際この方法で淹れてみると、コーヒーのオイル成分が抽出されていることが見てわかります。
専用器具なしで淹れる方法もありますので、普段はペーパードリップ派の方も、たまにはフレンチプレスコーヒーを楽しんでみてはいかがでしょうか?
フレンチプレスコーヒーの淹れ方
フレンチプレス(コーヒープレス)器具を使用
日本では紅茶専用としての印象が強いようですが、もともとはコーヒー用なのだそうです。スペシャルティコーヒーにはこの淹れ方が最適とのこと。
- 1杯当たり7~8g(料理用の大さじ1)の中粗挽きのコーヒーを入れる
- 約130~150㏄の熱湯(熱くて良い~お好みの温度で~)を注ぎ、4分置く。
- 3回ほど混ぜる
- プランジャー(ピストン)を下げる
最後まで搾り出したり、極端に混ぜたりしない
器具はあらかじめお湯で温めておいた方が、コーヒーの温度が保てます
裏技① 急須を使用
胴と注ぎ口のつなぎ目(孔)のところに細かい金属等のメッシュが付いているものでOK。
- 急須に粉と熱湯を入れ、時間を置く(プレスと同様)
- 3回ほど混ぜる
- 注ぎ口からカップへ注ぐ
プレスと同様に、最後まで搾り出したり極端に混ぜたりしない
裏技② 茶こしを使用
- サーバーに粉と熱湯を入れ、時間を置く(プレスと同様)
- 3回ほど混ぜる
- 茶こしでこしながらカップに注ぐ
プレスと同様に、最後まで搾り出したり極端に混ぜたりしない
自分好みの味を探そう
豆の挽き方でコーヒーの味はかなり変わります。
挽いた粒の大きさを数値で示すことはほとんどしないようで、メーカー等によっていろいろな表現がされています。「はっきりした定義はない」とおっしゃる専門家の方も多数……。
平均的な感じだと、このようになるようです。
細挽き | 市販のコーヒーの粉よりはやや細かい | ぺーパードリップで苦みとコクを楽しめる |
中細挽き | グラニュー糖ほど、一般に良く使用される挽き方 | ペーパードリップやコーヒーメーカ に適する万人受けする味わい |
中挽き | グラニュー糖とザラメの中間ほど | サイフォンやネルドリップに適する |
粗挽き | ザラメほど | パーコレーターやフレンチプレスに適する |
ご自分で豆を挽く方は、豆による味の違いも考慮しながら、まずは「これくらいかな?」という感じの大きさで試してみて、そこから自分好みの濃さや風味を探していきましょう。
豆乳でもカフェラテ・カプチーノが楽しめる!(専用器具なしでOK)
コーヒー+牛乳(豆乳)の飲み物はいくつかありますが、なんとなくしか区別がついていなかったので、簡単に違いを記しておこうと思います。
カフェオレ | ドリップコーヒー+温めた牛乳
→ 基本的には1:1の割合 |
|
カフェラテ | エスプレッソ+スチームドミルク(泡少な目)
→フォームドミルクの部分が少ない | カフェラテとカプチーノの違いは、フォーム
ドミルク(ミルクの泡)の量にあります。 定義としては、カプチーノのフォームドミル クがカップ縁1cm以上、カフェラテは1cm未 満と言われているそうです。 |
カプチーノ | エスプレッソ+スチームドミルク(泡多目)
→ミルク内の半分以上がフォームドミルク |
*スチームドミルク:蒸気の力を使って泡立てながら温めた牛乳
(泡立った部分はフォームドミルク、泡立たなかった部分がスチームドミルク )
私は最近牛乳の代わりに豆乳を使うようになったため、「家でもカフェラテやカプチーノが作れたらなぁ。」と思った時に、「カフェにはソイラテもあるのだから、豆乳も泡立てられるかも?」と、ずいぶん昔に購入したガラスのミルク泡立て器(フレンチプレス器具に似た形のもの)を引っ張り出してきました。
説明書には「70度に温めた牛乳で」と書いてあったので、試しに同じように温めた豆乳で泡立ててみることに。牛乳は温かい方が泡が安定しやすいようですが、やってみると豆乳もものすごく泡立つ。というか、半信半疑だったので長めにやってしまい、すんごい泡の量になってしまいました。(後で知ったのですが豆乳はサポニンが多く、冷たくてもすぐ泡立つそうです。) 感覚としては、空のペットボトル(温めたものはホット用)に入れて振ってもできるように思います。(検索してみると、「冷たい牛乳でもペットボトル振り振りで、泡立てミルクができる」という記事も発見)
他にも水筒やしっかり密閉できる容器、泡立て器や100円ショップの小さな電動ミキサーも良さそうですね。
カフェラテ・カプチーノのコーヒーはエスプレッソが理想的ですが、フレンチプレスコーヒー(お好みで濃くしても)や濃いインスタントコーヒーでもOK。
そしてふと思ったのですが、「ガラスのミルク泡立て器でフレンチプレス、できるかも……」。
ミルク泡立て器の蓋にはプランジャー(中心の棒)があり、底とほぼ同じ大きさの細かい金属の網目がついています。プランジャーを上下させて泡立てる造りとなっているため、蓋をすると金属の網目部分は底についた状態です。フレンチプレスの器具はプランジャーを押さなければ底の金属部分が下がりませんが、基本的な構造はほぼ同じ。お持ちの方は一度やってみる価値はあるかも???
「専用器具なしでフレンチプレスコーヒーを楽しもう♪」のまとめ
- フレンチプレスはコーヒーの味が存分に引き出されるので、おいしさが違う!
- フレンチプレスコーヒーの淹れ方
裏技①急須を使う
裏技②茶こしを使う - 自分好みの味を探そう
コーヒーの味は豆の挽き方が大きく影響 - インスタントコーヒーと牛乳(豆乳)さえあれば、自宅でカフェ気分♪
カフェラテもカプチーノも、ペットボトル振り振り牛乳(豆乳)で簡単に!
専用器具があると気分も上がりますが、ご家庭にあるものだけでも十分カフェ気分が楽しめます。
ペーパードリップのコーヒーにちょっと物足りなさを感じている方には、フレンチプレスはぜひ1度やってみてほしい……。同じ豆でも、濃くなるだけとか苦くなるだけではない、どっしりとした旨味みたいなものが加わる感じ……?
ちょっとした気分転換のひとつとしていただけたら、うれしく思います。