初めて買ったものやいただきもののコーヒー豆(粉)がハンドドリップやコーヒーメーカーで淹れてみると「なんとも飲みづらい味」だったらどうしますか? そういう時は、ぜひ水出しコーヒーにしてみましょう。お湯でドリップするよりも断然おいしく飲めるようになりますよ。
ちょうどこの暑い時期にもぴったりです。普段お湯でドリップしているお気に入りのコーヒー豆も、水出しにしてみるといつもと少し違った味わいも楽しめるのでは。
専用の器具はいりません。家にある物を使って簡単にできます。必要なのは時間だけ。夜仕込んでおけば、朝にはおいしいコーヒーのできあがり♪
飲みづらいコーヒーをおいしく飲むには
ハンドドリップ、コーヒーメーカーで淹れたコーヒー豆が
苦~い!
強~い!
と思った時。
1 薄めて飲む
これでOKなら良いのですが、薄めたとて「飲みづらくて残念な味」だったら。
2 牛乳や豆乳と合わせてみる
こっちの方がおいしく飲めるかも。
それでもお気に召す味にならない場合は、「水出し」を試してみませんか?
同じ豆でもお湯で抽出するより苦みなどが抑えられ、マイルドな仕上がりになります。
苦い・強い・飲みづらいコーヒーが、断然おいしく飲めるようになりますよ。
アイスコーヒーとの違い
水出しコーヒー=cold brew cofee(コールドブリュー)
一般的な「アイスコーヒー」は、お湯で抽出したコーヒーを冷やしたもの(上の写真のように濃いめに抽出したものを急冷すると美味)ですが、水出しコーヒーは、水で時間をかけて抽出します。
水出しだとコーヒー豆の油分があまり抽出されないため、油分の酸化による味の変化が少なく、長時間おいしく楽しめます。マイボトルにもおすすめです。
水出しコーヒーの作り方
専用器具もありますが、何も持ってなくても作れます!
挽いた粉を水に直接投入すればOK。ただ、お茶パックを使ったほうが、後々の扱いが楽かも?
【お茶パック使用のメリット】
直接粉を投入した場合、飲む時には濾す必要がありますし、抽出時間の調節をする時に粉は取り出さなければなりません。お茶パックなら取り出すだけなので漉すより楽かと。
*挽いた豆を水に直接投入する場合
軽くかき混ぜて冷蔵庫へ。6~12時間後にペーパーフィルターや茶漉しで漉します。
【注意】
- 粉を入れっぱなしにせず、良きところで取り出す。
抽出時間が長すぎると苦味・雑味などが増し、おいしくなくなってしまいます。 - 水に粉を入れる時は、常温の水で。最初から冷水を入れない。
- 硬水は避ける
硬水は味に影響します。硬水でなければミネラルウォーターでも水道水でも。詳細は後ほど - 早めに飲み切る。保存料が入っていないので、2~3日以内がおすすめ。(1週間位は大丈夫みたい)
水出しに適したコーヒー豆
- 深~中煎り
中煎りは深煎りよりマイルドな味に。
【浅煎りについて】
浅煎り豆はおすすめとされないことも結構あるようです。水出しはお湯ドリップよりマイルドですっきりした味になるので、もともとすっきり・あっさりめに仕上がる浅煎り豆だと物足りなく感じやすいから??? 冷たいと酸味を感じやすくなるので、酸味が強めなものが多い浅煎り豆だとさらに酸味が協調されそうだから???
しかし味は好みもありますし、浅煎り豆を水出しコーヒーにおすすめしているプロもいらっしゃいます。(抽出時間を長めにすることで物足りなさはなくなるようです)
【おいしい抽出時間の目安】冷蔵庫で
・中深煎り:12時間
・中浅煎り〜中煎り:14時間
・ 浅煎り:16時間 - 中~中細挽き(ペーパードリップ用のものでOK)
荒いと成分が出にくく、細かすぎると雑味などが出やすいです。
【おいしい抽出時間の目安】冷蔵庫で
・中挽き:12~18時間
・中細挽き:6~8時間
あくまでも目安です。いろいろ試してみて気に入った塩梅の粉の状態を見つけましょう。
水出しコーヒーに適した水
コーヒーは水とコーヒー豆だけでできているので、やはり水の良し悪しは重要らしい……。
適した水の条件としては
- 純度が高い(塩素等の不純物が入っていない)
- 鮮度が良い(=ある程度の二酸化炭素を含む:二酸化炭素は汲み置きや長時間沸騰・再沸騰で減る)
- 軟水(ある程度のミネラルを含む)
- pH7程度(中性に近い)
コーヒー豆は酸性なので
・pHが高い水(アルカリ性):豆の酸性と中和されてまろやか
・pH低い水(酸性):酸味が強調
となるようです
好みもありますので、あくまで目安です。
プロやコーヒー通の方のおすすめとしてよく挙がっていた水がこちら。
【南アルプスの天然水】
硬度30mg/L ・pH7、特に「まろやか」の声多し
【Volvic】
硬度60mg/L ・pH7、ミネラル分の含有量がコーヒーにちょうど良いらしく、「しっかりした味が楽しめる」とのこと
年代的なこともあるかもしれませんが、なんだかもったいない気がして私は「水を買う」ことができないでいます……。(飲食用の水として浄水器は使っていますが) でも、ペットボトルの水なら1本から買えるし、ちょっと試してみたいかも。
飲食用の水をすべてミネラルウォーターで賄うとしたら、ペットボトル購入とウォーターサーバーではどちらがお安いの?と思ったので、いろいろ検索してみました。うちは浄水器を使っていますが、安ければ乗り換えもありだなぁと思いまして……。
家族の人数・ライフスタイル・選ぶお水の種類などで変わってきますが、1~3年ほどのお得な継続契約を選ぶと、ペットボトルよりはウォーターサーバーの方がどうやらリーズナブルになることが多いようです。ただ、設置に関してや契約期間の条件があったり、期間未満で解約するとお金がかかる場合もあるなど、多少面倒なことがあるところも。
それと、地域により採水した原料となる水の硬度が25mg/L~90mg/L程度と結構差があるのですが、ウォーターサーバーを契約すると「お住まい地域の近くの水を届ける」というところがほとんどで、お水の種類を選べるところはかなり少ないのです。(知らなかった~)
好みの硬度のお水が届く地域に住んでいればラッキーですが、そうでない場合、硬度30と60で味わいが違うのなら、コーヒー好きだったら選びたいよなぁと思い、参考までにお水が選べるウォーターサーバーのメーカーを載せておきます。
もう一つの楽しみ方
水出しコーヒーを温めれば、おいしいホットコーヒーに!
ある程度の期間なら作り置きも可能で便利ですし、水出しコーヒーは夏だけでなく、1年を通して楽しめます。
お気に入りの豆で作るのはもちろん、お湯ドリップで飲みづらい味のコーヒー豆をおいしくいただく方法としても、とても良い方法です。ぜひぜひお試し下さい。
ちなみに「水出し」は緑茶にも使えます。
おいしい緑茶(ティーパック含む)だけでなく、こちらも「いまいち残念な味のお茶」をよりおいしく飲む方法として活躍します。温度が低いと甘みを感じにくくなるものですが、苦みが抑えられる分、コーヒーも緑茶も水出しにするとより甘みを感じる気がしています。(特に緑茶)
こちらで、マイボトルでの持ち運びに適する理由なども、ご紹介しています。
「器具なし簡単、水出しコーヒーは年中おすすめ・こんな豆にも 」のまとめ
- 飲みづらいコーヒーをおいしく飲むには
苦くて強い味のものは薄めてみる
牛乳・豆乳と合わせてみる
水出しにする - アイスコーヒーとの違い
水で長時間抽出 - 水出しコーヒーの作り方
水に挽いたコーヒーの粉を入れて、数時間抽出(常温・冷蔵庫の2通りあり) - 水出しに適したコーヒー豆(一般的に)
深~中煎り
中~中細挽き - 水出しに適した水
純度が高い
鮮度が良い
軟水
pH7程度(中性) - もう一つの楽しみ方
水出しコーヒーを温めればおいしいホットコーヒーに
私にとって水出しコーヒーは、いただきもののコーヒー豆がどうにもストロングで持て余していた時に、「どうやったら今よりおいしく飲めるか」を探していて出会った方法なのです。それでどうしても飲みづらさ解消のイメージがついてしまっていて、暑い夏にぴったりの飲み方だということが、この記事を書き始めるまですっぽり抜け落ちていました。
最近暑さが特にひどくなってきていますし、「冷たいままの水出しコーヒー」が存分に楽しめる時期ではないでしょうか。